見る目、聞く耳
若くて容姿が良い俳優をいまいち信用していない。
俳優として本当に力があるからテレビや映画に出てるのか、容姿のおかげで出られてるのかわからないからだ。
みんな最初は容姿から始まるのかもしれない。
でも力をつけていく俳優と、いつまでも自分の容姿に頼ってるだけで上手くならない俳優がいると思う。
小栗旬という俳優。
私は「花より男子」で少し見たことがある。
それと「コナン」も見たような気がする。
そのぐらいしか知らなかった。
というより「どうせカッコいいだけでしょ」みたいに敬遠していたようなところもある。
私はイケメンの下手な演技は嫌いだ。
今日、映画「響‐HIBIKI‐」を観てきた。
平手友梨奈の初主演作を観ておかなければ!という使命感で映画館へ向かった。
この映画が彼女が今から通っていく新しい道のスタート地点になると思う。
その彼女のスタートは「やっぱりやってくれた」という期待通りで私はうれしかった。
映画上映中、そんなふうに目を細めて彼女を見つめていた私だったが、いつのまにか私の目線は違う人物へとシフトしていった。
小栗旬へと。
主人公の女子高生、鮎喰響は初投稿作が芥川賞、直木賞をW受賞するような天才。
小栗旬が演じるのは芥川賞に3度ノミネートされるも落選している売れてるとは言えない小説家。
この二人をコントラストに描くことで、より響という少女が異才を放ってるのが際立ってくるし、より説得力を持ってくる。
この映画で小栗旬の出演時間は何分あったのだろうか。
あまり長くはないその出演時間だけで、演じる小説家の今までや背負ってるもの、生活や想い、いろいろなものがよく感じ取れたのは私だけだろうか。
パソコンに向かう彼の目やタイプするその手の動き、本屋で自分の本を探す足取り、響に会ったときの髪を振り乱す様子…。
全身で演じる彼の凄みに圧倒されてしまった。
本当に素晴らしかった。
大して観もせずに「ただのイケメンでしょ」なんて思っていた自分を叱ってやりたいぐらいだ。
そして小栗旬さん、ごめんなさい。
何でも、見もせず知りもせず批判するのはダメですね。
以前も一声聴いて「これはダメだわ。売れない」と批判していた歌手がいた。
今から20年前ぐらい。
彼のデビュー曲でその声を聞いたとき…「かわいそう。声に個性が無いし、歌も下手。売れないわ」と思った。
その歌手は
福山雅治さん。
今では超実力派シンガーソングライター。
すみません。
私は本当に見る目も聞く耳もない無いですわ。